異動に伴って引越した。
これまで引越し歴は10回以上、引越しは慣れたつもりでいた。
がしかし、1日前になって不安が押し寄せた。
引越しできる気がしない…。
思い起こせば20代、初めての引越しは遠く地元から飛行機に乗って母親がやってきた。
20代の娘が無事に引越しできるか心配だったんだろう。
そして私は引越し一週間前にインフルエンザにかかり、病み上がりで引越しを迎えた。
当時、ガラクタも含めて、なんでも引き取り屋という業者に引越し当日に来てもらった。
あまりの作業の速さに、私が引越し当日に履いて
いる靴ですら持っていこうとして、母親が慌てて
止めていた光景を覚えている。
それから引越しを繰り返し、30代になってから、
ようやく一人引越しをするようになった。
そして、今回の引越しまで、自称引越しが大得意の人間だった。けれど今回、自分が猛烈に甘かったことを思い知らされた。
これまでの引越しとは違い、50㎡の賃貸かつ車
持ちの状態から、20㎡の賃貸かつ車なし生活に
なることの厳しさを分かっていなかった。
まず、圧倒的に物が多い。家具ですら色々あった。これを減らすのに一苦労。
冷蔵庫の中身を空にする作業を2日前にした。
そして、荷物の梱包を引越し前日から始めたら、
途中で泣きたくなった。
なんとか当日、引越し業者が来る10分前に終了し
引越し業者が来た時は、梱包が終わったら食べようとしていたコンビニのおにぎりを食べている最中だった。
そしてどうにかこうにか荷出しを終え、
不動産屋さん立ち会いの下、退去点検をした。
そして、新居へ移動しようとした瞬間、不動産さんから「傘が全部残ってます」と信じられない声。傘を出し忘れたことに気付かなかった。
引越し業者さんが、ボックスを見ようとしてくれたのに傘を取り出したと思い込んでいた私は、
「あ、そこは大丈夫です」と伝えたのだ。
が、全然大丈夫ではなかった。
残された傘は雨傘2本と日傘の計3本。
ビニール傘ではなく、ちゃんとした傘だったので、置いていくのも憚られ、なんと傘3本をもっての移動となった。
ようやく新居に着いたけれど、想像以上に狭い。
いや、想像したとおり狭い。
歩いた歩数は18,000歩。
時間がなくてとりあえず入った部屋なので、
落ち着いたらまた部屋探しすればいいやと悠長に
構えていたけれど、もうしばらく引越しはしたくない。